スマブラで強攻撃を出せないレベルの初心者が格ゲーの勉強をする調べ学習記1「格ゲーの読み合いってなんだ」

本記事はタイトル通り、ドが付く格闘ゲーム初心者である筆者が、何としても Guility Gear をやりたいので、基礎的な理論を学ぶことでなんかやった感じにして自分をごまかそう!という意図から作成される、「格闘ゲームにおけるセオリーを調べつつ、そのセオリーというのはどういうものなのかということを自分で考えて理解する過程を書き記す備忘録」です。

 

このため、本記事は解説記事ではありません。

 

「初心者が勉強してみた結果、多分こういうことなんだと思いました!」という偏見に満ちた内容が書かれますので、内容そのものは信用せずに、「またこの人小学生みたいな調べ学習してる……」という生暖かい目で見るコンテンツとしてお役立てください。

 

それにつけても Let's Rock のしたさよ

まず初めに、本記事の目指すところを明確にしたいと思います。

格ゲーを勉強したいと言っても、この世に格ゲーは星の数ほど存在します。

有名所だけでも、ストリートファイター、鉄拳、バーチャファイター、とたくさんのタイトルがあり、それぞれのタイトルでゲーム性は大きく異なります。

本記事では、そのシリーズの中でも最近発売されたタイトルである GUILTY GEAR -STRIDE- (以下、GGST)を勉強していきます。

GUILTY GEAR シリーズは 1998 年から続く2D格闘ゲームシリーズで、パンクロックをモチーフとした世界観とBGM、高い空中機動性やロマンキャンセルシステム等による高いコンボ性をウリにしたゲームです。

こう書くとなんだかプレイフィールが良さそうに見えますが、キャラ性能が強すぎるが故に、クソ長いコンボを複数のコンボルートから入力できることが前提とされる超絶敷居が高い格闘ゲームでした。

しかし、GGST では、キャラの挙動について、コンボが繋がりにくく調整され、そういった敷居の高さをある程度廃し、格ゲーにおける「読み合い」に重点を置いたゲームバランスとなっており、比較的格ゲー初心者でも手が出しやすい気分になる作りになっています。(でもやっぱり格ゲーなんで通常人類には難しい)

本記事では、この GGST について、「読み合い」というものは実際のところ、何なんですか?という所について調べ学習をしていき、なんとなく格ゲーのセオリーをわかった気になることを目指します。

格闘ゲームにおける攻撃と守備

格ゲーの読み合いというのは何なのか?ということを理解する上で、まず知っておく必要があるのは、格闘ゲームもその他のゲームと同じく実は「ターン制対戦ゲーム」であることです。

「どういうこと?格ゲーのどこにターンが書いてあるんだ?ターン1とか書いてねぇだろうが、え?」と思う方もいらっしゃるでしょう。

ここでの「ターン制対戦ゲーム」とは、ある有限幅の時間において「行動のイニシアチブ(カードゲーム的に言うと優先権)を持つ攻撃側」と「攻撃側のアクションに対しレスポンスを行う守備側」にプレイヤーが分かれ、「攻撃側のアクション」と「守備側のレスポンス」の有利不利関係によってどちらかのプレイヤーが何らかの報酬(=HPへのダメージ、攻撃硬直による攻守の交代等)を得るというシステムによってゲームが進行することを指します。

つまり、格闘ゲームにおけるターンは、カードゲーム等のような明確なターンが設定されているわけではないが、攻撃を繰り出す側とそれを受ける側が流動的に入れ替わりながら有利を取り合うターン制の戦いの繰り返しであるということです。

 

さて、「ターン制対戦ゲーム」であるところの格闘ゲームで、1ターンの間に一体なにをしているのか、そして何を読み合っているのかについて詳しく見ていきましょう。

攻撃側のすること

攻撃側のプレイヤーは先程の定義に則ると、「相手に対して先んじて何らかの攻撃を繰り出したプレイヤー」です。なので、攻撃側がやっていることは、「攻撃種の選択」になります。

GGSTにおいて、プレイヤーが取れる行動は多種多様にあり、攻撃に分類される行動も大量にあります(パンチ、キック、コマンド必殺技等)。しかし、それらの細かい詳細は一旦おいておいて、すべてのキャラクターに適用される抽象化された攻撃分類を考えましょう。

この攻撃分類は、「通常攻撃」、「下段攻撃」、「中段攻撃」、「投げ」の4つの分類から構成されています。(なんで上段がないねん)

この4つの分類は守備側の行動選択によってどのように有利不利が決定するかに基づいて分類されており、

「通常攻撃」は「立ちガード」と「しゃがみガード」の両方でガードされ、

「下段攻撃」は「しゃがみガード」でのみガードされ、

「中段攻撃」は「立ちガード」でのみガードされ、

 「投げ」は「立ちガード」と「しゃがみガード」の両方でガードできない。

(じゃあ「投げ」最強じゃんと思うが、攻撃の間合いが「投げ」は残り3種の攻撃に劣るため最強ではない)

この4つの分類はすべてのキャラクターの攻撃行動に適用することができ、逆にすべてのキャラクターはこの4種の攻撃行動を多かれ少なかれ全種類持っています。

 

攻撃側プレイヤーはこの4種の攻撃行動を選択して実行し、守備側にレスポンスを迫ることによってじゃんけんを始めます。

守備側のすること

守備側のプレイヤーは先程の定義に則ると、「攻撃側プレイヤーの攻撃行動に対してレスポンスを返すプレイヤー」です。

防御側の取れる行動は攻撃行動よりも多くの分類が存在し、大きく分類して「立ちガード」、「しゃがみガード」、「投げ抜け」、「回避」、「カウンター(暴れ)」の5種類が存在します(何もしないは論外なので除外)。

守備行動も基本的にはどの攻撃分類に対して有利が取れるかを基準に分類されており、

「立ちガード」は「通常攻撃」と「中段攻撃」をガードし、

「しゃがみガード」は「通常攻撃」と「下段攻撃」をガードし、

「投げ抜け」は「投げ」を無効化し、

「回避」はステップ等を用いてそもそもの攻撃の当たり判定から逃げる、

という有利不利関係があります。

5つ目の「カウンター(暴れ)」は少し特殊なので後で説明します。

守備側はこの攻撃側の攻撃の分類を見極めて、それらに対応した5つの守備行動を選択して勝負をしていきます。

有利不利の決定(じゃんけんの勝敗)

攻撃側の攻撃行動に対して、守備側の守備行動が決定されることでそのターンの有利不利、つまり勝敗が決定します。

攻撃側の攻撃に守備側が適切な行動を返せなかった場合、攻撃側が勝利し、守備側の HP にダメージが与えられます。

攻撃側の攻撃に守備側が適切な行動を返した場合、守備側が勝利し、守備側に一定の有利が与えられます。

 

ここで、「守備側の一定の有利って何?」となるかと思います。ならなかったら格闘ゲーム初心者じゃないので黙ってトレモに戻りましょう。

格闘ゲームにおける守備側が得る有利というのは、「次のターンの攻撃イニシアチブ」であることが基本です。

ここまでの説明では、攻撃側が突然サイコパスが如く突然に攻撃してくることになっていましたが、実際のゲームでは、守備側の勝利による攻撃イニシアチブの交代によって攻撃側と守備側が交代する事によって攻撃権を得るのが通常です。

この攻撃と守備の交代は、「行動後の硬直時間」によって実現されています。

基本的な設計として、攻撃行動の硬直時間と守備側の硬直時間は守備側が短くなるように設計されている事がほとんどで、ガードに成功した側のほうが先に行動が可能となります。

この「硬直時間の長さの差」が守備側が得る有利であり、攻撃側の攻撃をガードしてえた反撃のチャンスを使って反撃を繰り出す事で攻撃側と守備側が入れ替わったじゃんけんを行う事で次のターンが開始されます。

この攻撃権のやり取りを繰り返し続けて、最終的に先に失敗したほうがダメージを受け取る事によってゲームが進行するというのが格闘ゲームの基本です。

 

さて、ここまでで理解する事によって格闘ゲーム初心者は一つの教訓を得ることができます。

「一回攻撃してガードされたら攻守が交代するので殴るな」

ということです。

格闘ゲーム初心者あるあるとして「とりあえずレバガチャしながら攻撃を連打し続けた結果、カウンターを食らってボコボコにされる」があります。

これが起きる原因というのが、ここまで説明した攻守の交代を理解できていなかったことです。

攻撃をガードされて、相手に攻守が入れ替わっているのに、自分が攻撃側だと錯覚して不利を背負ったまま攻撃するという最悪の行動選択をしてしまっているのです。

 

細かいことを言うとガードさせてなお有利な攻撃行動がある(メイのSイルカとか、カイの帯電フードゥルとか)ので、「ガードされたら攻撃をやめる」というのは正しくないのだが、そこは各キャラの攻撃の組み方の各論なのでまた今度考えましょう(筆者もよくわかっていません)。

Appendix 「カウンター(暴れ・暴れ潰し)」について

説明を後回しした「カウンター(暴れ・暴れ潰し)」について触れておきましょう。

カウンター行動とは、相手の攻撃行動に対し、その攻撃よりも早く判定が発生する攻撃を返すことで相手の攻撃行動を上から潰す攻撃的な守備行動になります。

カウンター行動は、成功させる事ができれば即座に相手の攻撃行動中に無理やり攻撃権を奪いとって攻撃側に転じる格闘ゲームの中で最も強い守備行動です。

特に、 GGST では、攻撃をカウンターヒットさせると、通常のヒットのダメージ硬直よりも長くガード不能硬直を作ったり、打ち上げがより高くなる等のメリットがあり、同じ技でもカウンターヒットでのみより高い打点のコンボに繋がるように設計されています。

このため、GGST ではいかにこのカウンターヒットを当てて相手を潰していくかというのを狙っていくのも一つの技術になります。

一方で、このカウンター行動は利益が多い分、相手の攻撃に合わせて相手よりも発生の早い攻撃を繰り出す反射神経と、カウンターが成立する技の有利不利を知っておく必要がある難易度の高い行動であるため、格闘ゲーム初心者はあまり拘る必要はなく、少しずつ練習して取れるカウンター行動の幅を増やしていく事が大事と言えるでしょう。

一応、例として、典型的なカウンターの例を記しておきます。

カウンターの最もよく知られている例が、「飛んだら昇竜」というものだと思います。

「昇竜」というのは対空技の事を意味します。(語源はストリートファイター昇龍拳から)

この対空技というのは、「武器や腕を上空に突き出して攻撃」したり「自身がしゃがんで上側に攻撃」したりする攻撃のことで、自分の「体の当たり判定」よりも上の場所に「自分の攻撃の当たり判定」が出現するので、ジャンプなどで自分よりも相手が上にいる場合に一方的に撃ち勝てるように設計されています。

GGST では、実際に昇龍拳コマンドで撃てる場合が多いほか(ソルのヴォルカニックバイパー、カイのヴェイパースラスト)、「→P」を入力するとだいたい対空技になります。

 

こういった、各状況に応じた有利不利の設計が各キャラクターの技には設定されており、この有利不利をぶつけ合うことでカウンターの読み合いが発生しています。

 

補足:「暴れ」や「暴れ潰し」は正確にはカウンターの事ではない。正確には、「暴れ」は一連の相手の攻撃中に発生の早い無敵技を差し込むことで切り返す行動を指し、「暴れ潰し」はこの「暴れ」を読んで一旦攻撃の手を止めてガードを挟んで一旦「暴れ」を受けてから更に差し返す行動を指すが、広い意味でどちらも「カウンター」なのでここではまとめてほぼ同じ意味として使っている。

 

まとめ

以上が、格闘ゲームにおける、「ターン制対戦ゲーム」の内容、及びそれに付随する「読み合い」の説明です。

まとめると、

格闘ゲームは「攻撃側」と「守備側」を交代しながらじゃんけんをし続けるゲームである

・攻撃側の複数の攻撃行動に対し、守備側が適切な手を返す事で攻守が交代し、先に守備に失敗したほうがダメージを受ける

・攻撃側の手と守備側の手を読み合って先に相手に「読み負けさせる」ことが基本

・実際の行動に伴う有利不利の判定は各キャラクターの各論

となります。